キッチンDIYの続きです。
前回までに石膏ボードを貼り終えたので次は漆喰塗り…と行きたいところですが、その前にフローリングを貼ってしまうことにしました。
今回が初めてのフローリング張り替えDIY。上手く出来るか不安でしたが、なんとかやり遂げました。
- 杉無垢フローリング材を使用
- 杉無垢フローリング材を現場環境に慣らす
- フローリング材には「捨て貼り用」と「根太貼り用」がある
- フローリングを貼る向きは根太に垂直
- 最後の1枚を考えて割り付けする
- フローリング材の並べ方
- 壁は完璧な直線じゃない
- フローリング貼りに必要な道具
- 無垢フローリング材のボンドは床職人がおすすめ
- 無垢フローリング材の裏面の溝をボンドで埋めてはダメ
- フロアー釘とポンチを使う
- フロアー釘は斜め45度に打ち込む
- 節を避けて釘を打つ
- フローリング材の最初の1枚目の貼り方
- 当て木とハンマーで叩きながらはめ込む
- フローリング貼りは根気のいる作業
- 柱の形に合わせて加工する
- 段差は綺麗に仕上げた
- 梅雨の時期はスペーサー不要
- 最後の1枚は雌実の下を取る
- 床下点検口の蓋も作成
- フローリング完成前に給排水管工事を頼んで失敗した
- 無垢フローリング材は杉よりパインがおすすめ
杉無垢フローリング材を使用
フローリング材に選んだのは杉の無垢材。以前、天井の杉相じゃくり板を購入した材木店で購入しました。
材木店の社長に一番安いフローリング材を聞いたところ、杉を勧められたので即決。
部屋は4.4m x 3.51m = 15.444平米 = 4.6332坪 = 9.9畳必要になる。ということで、長さ3700mm、幅11.5mm、厚み15mmの本実加工(ほんざねかこう)を10畳分を購入。総額4万7,000円ほどしました。
杉無垢フローリング材を現場環境に慣らす
材木店の社長いわく、購入した杉無垢フローリング材は現場で2〜3日で寝かすとのこと。
無垢材は湿気を吸うと膨張し、乾燥すると縮小する特性があります。
杉無垢フローリング材を保管していた倉庫と我が家では湿度が違うため、届いてすぐに貼ってしまうと、時間が経ってから伸縮し、きしみや板浮きの原因になるそうです。
なので、パッキングされている杉無垢フローリング材の梱包を解いて、現場の空気に馴染ませました。無垢は反りやすいので立てかけNGです。置く時は必ず寝かしで。
ただし、無垢材の床直置きはNGです。前回、天井板を貼った時に杉相じゃくり板を床に直置きしました。すると、一番下の板に水ジミが…。
無垢材は呼吸してるんですね。湿気を吸うし、湿気を吐き出す。空気の通り道の確保もお忘れなく。
フローリング材には「捨て貼り用」と「根太貼り用」がある
ここで余談ですが、フローリング材には「根太貼り用」と「捨て貼り用」があります。
「捨て貼り用」とは、根太の上に構造用合板を貼ってから施工するフローリング材のこと。市販されているフローリング材のほとんどが「捨て貼り用」となっています。
一方の「根太貼り用」とは、根太に直で貼ることができるフローリング材のこと。下地の構造用合板は不要です。
大抵の「捨て貼り用」のフローリング材は厚み12mm。それに対して「根太貼り用」のフローリング材は24mmと倍は必要。
また「根太貼り用」は下地がいないため継ぎ目はNG。そのため、無垢材の場合は一本張りが基本となります。そんなこんなで、「根太貼り用」のフローリング材は入手困難。
もちろん、分厚い「根太貼り用」のフローリング材を「捨て貼り工法」で施工してもOK。
フローリングを貼る向きは根太に垂直
フローリングを貼っていく方向をどうするか?で迷いましたが、どうやら、フローリングの向きは根太と垂直に貼っていくのがセオリーでした。
フローリング材を固定する釘は捨て貼りの下、根太に打ち込むからです。
ですので、フローリングの向きにこだわるなら、大引や根太から考えないといけませんね。
迷うくらいなので正直どっちでもOK。セオリーに従い、根太に垂直で貼っていくことにしました。
ちなみに、どうしてもフローリング材を根太と平行に貼りたいなら、捨て貼りを12mmではなく24mmにすると問題ないらしいですよ。
最後の1枚を考えて割り付けする
フローリング貼りで注意しなければいけないのが、最後の1枚の幅です。
何も考えずに貼り進めると、最悪の場合、ラスト1枚のフローリング材の幅が10mmなんてことも。貼れないことはないですが、見た目的に微妙ですよね。
だから、最初の1枚で最後の1枚の幅を調整する。これが「割り付け」です。
部屋の長さを測って、フローリング材の幅で何枚必要か?最後の1枚が10mmなら、最初の1枚を50mm短くして、最後の1枚を60mmにする。といった感じに、いきなり釘を打ち込むのではなく、仮で並べてじっくり考えましょう。
無垢フローリング材の場合、フローリング材同士の隙間や湿気による伸縮もあるため、微妙な誤差が生じることも頭に入れておきましょう。
また、無塗装、クリア塗装にするなら、この時に木材の色合いも考えておくと良いかもしれません。
無垢材の色味や模様は様々。バランスよく並べることで、仕上がりも綺麗になります。
自分は塗装するので適当に貼っていきます。
フローリング材の並べ方
並べ方は千鳥、2-3-2-3…の交互がいいかな。
縦4400mm、横3510mm、幅115mm
4400 ÷ 115 = 38.26…列
少数切り捨て、38列として
38 x 115 = 4370
4400 – 4370 = 30
つまり、30mm足りない
でも、壁際は5mm開ける
さらに各列スペーサーとして0.2〜0.3mm
0.2 x 37 = 7.4
5 + 7.4 = 12.4
30 – 12.4 = 17.6
初めの1枚と最後の1枚で調整する
115 + 17.6 ÷ 2 = 66.3
初めの1枚を66mmにして、合計39列にすれば最後の1枚は極細にならないはず…
と千鳥張りの綿密な計算をしましたが、結局、一本貼りにしました(笑)
壁は完璧な直線じゃない
古い木造住宅の壁は、大抵歪んでいます。築40年以上の我が家の壁も、微妙に湾曲していました。
そんな曲がった壁に沿って、まっすぐなフローリング材を貼ってはダメ。フローリング貼りは最初の1枚目でズレるかどうかが決まります。
最初の1枚目は壁にピッタリ付けるのではなく、5mmほど壁との隙間を開けて誤差をカバーしましょう。壁との隙間は後で巾木を付ければ隠せます。
フローリング貼りに必要な道具
- フロア釘(38mm #14 or #15)
- ネイルポンチ
- 床職人
- ハンマー
- あて木
- ドリルドライバー(1.8mmビット)
- スペーサー
無垢フローリング材のボンドは床職人がおすすめ
フローリング材を貼る際は裏面にボンドを塗ります。
無垢フローリング材をボンドでガチガチに固定するのは良くないといった「ボンド不要説」もありますが、ウレタン樹脂系ボンドなら大丈夫。
ウレタン樹脂系ボンドは固まるとゴムのように柔らかくなり、無垢材の伸縮にも対応できます。
ウレタン樹脂系ボンドのなかでおすすめは「床職人」です。
鋼製束の固定、根太ボンドとしても使えるので、床貼り替えDIYのボンドはこれ1本でOK。万能ボンドです。
無垢フローリング材の裏面の溝をボンドで埋めてはダメ
フローリングのボンドの塗り方ですが、他のDIYブログでは波線を描くようにボンドを塗っていますよね?はじめは自分もそれをマネて、波線を描くように塗っていました。
しかし、それを見た大工さんに「ボンドで溝を埋めたらダメだよ」と指摘されました。
あまり気にしていませんでしたが、無垢フローリング材の裏面の溝は、
- フローリング材表面の割れ止め
- フローリング材の反り止め
- ボンドの逃げ場
といった役割があるようです。つまり、無垢フローリング材の裏面の溝にはボンドを着けない方がいいということ!
なので、波線を描くように塗るのは間違いで、正しくは溝に沿って直線に塗るです。
さらに言うと、ボンドの着け過ぎはフローリングが浮く原因になるのでNG。釘でも十分に固定されるので、ボンドはあくまで補助。薄くのばす程度でOKとのことです。
参照:無垢のフローリングの裏に溝が2本あります。なぜ何でしょう?(Yahoo!不動産)
フロアー釘とポンチを使う
フローリング材の固定には「フロアー釘」と呼ばれる細い釘を使います。普通の釘に比べて、釘頭が小さいのが特徴。
フローリング材が12mm厚であれば38mmでOK。フローリング材がもっと厚い場合、またフローリング材の下に防音シートを敷く場合などにはもう少し長い釘を使うといいでしょう。
フロアー釘の太さと長さは以下のような種類がありました。
- 1.8(#15)x38mm
- 2.1(#14)x38mm
- 2.4(#13)x45mm
- 2.4(#13)x50mm
- 2.7(#12)x65mm
同じ38mmでも、細い1.8(#15)と、通常の2.1(#14)があります。細いと木割れのリスクが少ないですが、釘は折れやすくなりますね。
あとは、フロアー釘を最後まで打ち込むため、ハンマーの他に「ポンチ」と呼ばれる工具を使います。
フロアー釘の頭を見てみるとくぼみがあります。ここにポンチの先端がフィットして、ズレずに打ち込めるというもの。良く出来ていますね。
釘以外にも、インパクトドライバーで打ち込める「フロアビス(仕上げビス)」もあるので、好きな方を選ぶと良いでしょう。
自分は「フローリング貼り=釘でトントン」というイメージだったので、フロアー釘にしました。
フロアー釘は斜め45度に打ち込む
フロアー釘を打つ箇所は根太が通っている位置です。捨て貼り施工時に根太の位置の墨出しをしていたのでバッチリです。捨て貼りに関しては下記の記事を参考にしてみてください。
フロアー釘を打ち込む場所は雄実(凸)の付け根、角度は斜め45度。
45度で打ち込めば雄実からはみ出さず、次のフローリング材をはめ込む際にも影響なし。
雄実を割ってしまいそうだったので、2.1mm未満(1.8mmとか)のドリルで下穴を空けてからフロアー釘を打つことにしました。
ハンマーである程度打ち込んだら、
ポンチを使って奥まで打ち込む。
釘頭が埋まって、実に影響なければOK。
あんまり奥まで打ち込むと雄実が割れるので注意。これを接する根太の本数分やります。
節を避けて釘を打つ
よっぽど良質な無垢材でない限り節があるでしょう。自分が購入した杉無垢フローリング材も節だらけ。
だから、フロアー釘を打たなきゃいけないところが、たまたま節だったりも。節は硬いので細いフロアー釘は曲がってしまいます。
ここは無難に、節からちょっとずらしてフロアー釘を打つようにしました。
フローリング材の最初の1枚目の貼り方
フローリング材の最初の1枚目は、雌実(凹)を壁側にして、雌実の真上からフロアー釘を打ち込みました。
その後に、雄実(凸)にフロアー釘を斜め45度で固定する。これでフローリング材の1枚目がガッチリと固定されました。
当て木とハンマーで叩きながらはめ込む
1枚目の雄実に、2枚目の雌実をはめ込むのですが、なかなかはまらない…。おそらく、湿気で膨張しているでしょう。
そんな時は、当て木とハンマーを使います。雄実を潰さないように当て木をあてて、ハンマーで叩いてやれば徐々にはまっていきます。
当て木はフローリング材をカットした時の端材でOK。雌実がいい感じに雄実にフィットして、ハンマーの力がしっかり伝わります。
初めは、力一杯叩いてもはまらなかったけど、次第にコツがつかめてサクサク進むように。
フローリング貼りは根気のいる作業
1枚目以外は同じことの繰り返し。2枚目以降は、
- フローリング材の裏面にボンドを塗る
- 当て木とハンマーではめ込む
- ドリルで下穴を空ける
- フロアー釘を斜め45度に打ち込む
この繰り返し。丸1日間かけて進捗4分の1…。なかなか根気のいる作業です。
柱の形に合わせて加工する
柱と重なるところは、柱の形に合わせてフローリング材を加工しました。綺麗にカットするのは至難の技。最悪、コーキングで埋めればOKでしょう。
段差は綺麗に仕上げた
キッチンのフローリング張りは、土間に接する段差も課題でした。
まずは下地を作成。
微妙に異なる幅を調整しながら捨て貼り。
フローリングの断面を見せたくないので、斜め45度にカット。
断面を張り合わせるようにすれば、キタコレ!綺麗に仕上がりました!
梅雨の時期はスペーサー不要
無垢材は湿度によって伸縮します。湿気を吸うと膨らみ、乾燥すると縮みます。
無垢フローリング材の場合、縮んで隙間が空く分は全然OK。問題は膨らんで、板同士が反発し合い、板が浮いてしまうこと。
それを防ぐため、あらかじめ0.5〜1mmほどの隙間を空けながらフローリング材を貼っていくことがポイント。
0.5〜1mmの隙間確保にはスペーサーを使います。
スペーサーなんてカッコつけて言ってますが、隙間を確保できれば厚紙でもアクリル板でも何でもOK。
フロアー釘で固定する前、当て木とハンマーではめ込む際に、フローリング材の間にスペーサーを挟みます。
ただし、その日の湿度が高い場合はスペーサーは不要!すでに湿気を吸っていて、無垢材は膨張している状態です。
この時、ちょうど梅雨でした。膨張してなのか、実がハマらず苦労しましたが、スペーサーが要らなかったのは楽でしたね。
最後の1枚は雌実の下を取る
フローリング貼りの最後の1枚はちょっと加工が必要でした。普通にはめようとしても壁に突っかかってダメ。
なので、雌実の下をノミで削り取り、上からフタをするようにスッポリはめ込みました。あとは真上からフロアー釘を打ち込んでフィニッシュ!終わりです!
床下点検口の蓋も作成
ついでに床下点検口の蓋も作成しました。
枠にフローリング材をはめ込んで、ビスで固定。
ドリルで穴を開けて取っ手を付ける。
裏面に補強金具を取り付ければ完成です。
床下点検口の開口部作成については、以下の記事でサクっと触れてますので、もし興味があれば読んでみて下さい。
フローリング完成前に給排水管工事を頼んで失敗した
こんな感じで、フローリング貼りが完成しました。
丸5日間かかりました。奥行き4400mmの部屋に、幅11.5mmのフローリング材をひたすら貼ったんですよ…(ドン引き)
でも、変な箇所がありますよね。完成写真を見ての通り、給排水管のところだけフローリングが貼れませんでした。
そうです。捨て貼り前に業者さんに工事をしてもらったからです。
「解体で床板がない状態の方が工事しやすいかな?」という無駄な心遣いによる失敗。これだけは後悔!
どうにか配水管のギリギリまでフローリングを貼りましたが、結局、残念な感じになっちゃいました…。
給排水管工事はフローリングが完成した後に依頼すべし!二度目はないと思いますが、失敗から学んだ教訓です!
無垢フローリング材は杉よりパインがおすすめ
今回、材木店の社長に言われるがままに、一番安い杉無垢フローリング材を選びました。
杉無垢材の特徴は柔らかな触り心地と温もり。完成後に素足で歩いてみましたが、それをなんとなく感じました(素人感)
その一方で、杉無垢材のデメリットは傷つきやすく凹みやすいこと。食器を扱うキッチンには不向きだったかも…。
だったら、ちょっと高くても丈夫なパイン(松)にすればよかったと軽く後悔。
というか、この記事書きながら楽天でフローリング材探してみたら、今回購入した杉より安いパインのフローリング材がたくさん見つかった件について…。
「木材はホームセンターか材木店が安い」と思っていたけど、モノによっては楽天の方が安かったりするんですね。
次からは視野を広げて資材集めしたいと思います。
さて次回はフローリング塗装!キッチンということで、防水性を考えた塗料を塗ることにしました!
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