キッチンDIYの続きで、今回は壁下地を組んで、その上から石膏ボードを貼る工程です。
前回までは、床に構造用合板を貼って、天井には杉板を一面に貼りましたが、いよいよ壁の作成。
壁ができれば、また雰囲気もガラリと変わるのではないかと楽しみです。
内壁の構造
作業を始める前に、まずは室内側の壁(内壁)の構造について簡単に勉強しました。
現状は壁の解体を終えて、柱や間柱が露出している状態。室内から外壁のトタンの裏側が見えています。まるで倉庫。
内側に石膏ボードを貼って、あとは壁紙を貼ったり、漆喰を塗れば内壁が完成するというもの。
図を見る限りではシンプルですが、実際にやるとなったらどうなることやら…。とりあえず、壁下地から順番に進めていきました。
胴縁を使って壁下地を組んでいく
今回のキッチンリノベでは、天井の梁を見せ、屋根の勾配に沿って天井板を貼りましたが、元々のキッチンは吊り天井。
ちょうど梁のラインで天井板が作られていたため、梁から上の壁下地がありません。
現状では梁から上に石膏ボードを貼ることができないので、まずはビスが打ち込める壁下地を作ります。
壁下地に使用する木材は胴縁(45mm × 18mm)です。材木を取り扱っているホームセンターに必ず置いてあります。
天井板に沿って固定する胴縁を柱の幅にカット。あとは、幅45mm、深さ18mmの溝を掘っておきます。
そうすることで、縦方向の胴縁が溝にピッタリはまり、胴縁同士をビスで固定することができます。
これで梁上の壁下地は完成。
次は、コンクリートブロックに石膏ボード直打ちされてた箇所。解体した時は石膏ボードの釘がほとんど効いておらず、コンクリートブロックにはカビが生えていました。
ここは、まず床に胴縁を固定して、それに縦方向の胴縁を固定するようにしました。
これで必要な壁下地は完成。その他は柱や間柱にビスが打ち込めそうです。
筋交いの壁下地
筋交い部分にも壁下地を組んでいくのですが、胴縁ではなく45×35の角材を使いました。
斜めになっている筋交いに対して、縦に垂直に組みたいので角材を斜めにカット。ビスを打って筋交いと固定します。
横架材と接する箇所はL字金具で固定しました。
壁に使う石膏ボードは9.5mm?12.5mm?
石膏ボードを貼っていく前にちょっと勉強。
石膏ボードには厚み9.5mmと12.5mmがあって、9.5mmは天井、12.5mmは壁に用いるそうです。
また、9.5mmは準不燃、12.5mmは不燃と耐火性の違いもあります。防音性や強度も石膏ボードの厚みによって違います。
「じゃあ、壁には12.5mmを使えば良いよね」となります。普通は。
でも自分は9.5mmの石膏ボードを買いました。理由は「重くて大変そう」だから。
DIY素人のくせに、何でセオリー通りに進めないのかって思われるかもしれませんが、1人作業なので少しでも負担を軽くしたいって甘えが出ちゃいました。
で、気になる重さの違いですが、9.5mmが1枚10.9kg、12.5mmが1枚14.1kgと、だいたい1.5倍ぐらい違うんですね。
下の方ならともかく、脚立で上に持ち上げる事を考えると、9.5mmを選ばざるを得なかった(甘え)
そんな理由で、9.5mmの石膏ボードを使うことにしたんです。
後付け理由ですが、コンロはIHにするから火事の心配はないし、あと微妙に9.5mmの方が安いですからね。
よく行くコメリだと、9.5mmが1枚300円ほどで、12.5mmが400円ほど。20枚買うとしたら2000円違いますからね。
石膏ボードはカッターで簡単に切れる
石膏ボードはカッターで簡単に切ることができます。
まず、石膏ボードのクリーム色の面を表にして、カットするラインを鉛筆でマーキング。
次に、線に沿ってカッターを入れていきます。
2〜3回ほど繰り返し刃を入れると良いでしょう。
クリーム色の面に切り込みが入ったら、石膏ボードを裏返します。そして切り込みで二つに割ります。
裏面の紙にカッターの刃を入れれば…
カット完了。
断面がボコボコしているので、木工ヤスリで削るようにしています。
慣れてくると、細かいカットも簡単にできるようになりました。
石膏ボードの固定は専用のビスを使う
石膏ボードの固定は石膏ボード専用のビスを使用します。
一般的に木工で使うコーススレッドとは違い、石膏ボードビスはビス頭が大きくて、柔らかい石膏ボードでもしっかり固定できます。
また、ビス頭面がザラザラしているので、パテが付きやすいのも特徴。
ビスの長さは石膏ボードの厚みによって選ぶといいでしょう。自分は9.5mmなら32mm、12.5mmなら41mmを使っています。
石膏ボードのビス間隔は15cmピッチでバカ棒を使用
石膏ボードを固定するビスの間隔(ピッチ)ですが、自分は15cmにしました。
15cm間隔は工務店のブログを参考に「バカ棒」と呼ばれる道具を作りました。
胴縁に15cm間隔でビスを打ち込み、貫通させただけの棒です。
参照元:https://iiie-oohara.com/blog/b_housebuilding/ssama-6.html
このバカ棒を石膏ボードに押し当てるだけで…
15cm間隔で小さな穴が空くので、そこにビスを打ち込めばOKというもの。
シンプルだけど、とても便利。いちいち間隔を測っていたら面倒なので、このバカ棒はおすすめです。石膏ボード貼りが楽になります。
見えない間柱の位置は紐を垂らして確認
石膏ボードの両端のビス打ちは問題ないけど、石膏ボードの中央ライン、壁下地に沿ってビスを打つ時は真っ直ぐに打たないとビスが効きません。
あらかじめ石膏ボードの縦のラインに墨出ししても、必ずしも石膏ボードが平行とは限らない。
そこで、ビスに紐を括り付け、上から垂らして垂直を出すことにしました。
これなら石膏ボードが斜めになっても、垂直が出るので壁下地の位置に合います。
あとは、紐に沿ってバカ棒を合わせて、ビス打ちをしました。
石膏ボードの廃棄は有料だから極力余らせないこと
石膏ボードのサイズは3×6(910mm × 1820mm)で、畳1帖ほどの大きさです。
特に切る必要がなければ、そのまま1枚ベタッと貼ってOK。継ぎ目が少ないほど、後の作業は楽になります。
縦方向や横方向に関しても、あまりに気にする必要なし。それよりも、とにかく石膏ボードを余す事なく、無駄なく使うことだけ考えましょう。
というのも、石膏ボードは産業廃棄物。家庭用の可燃ゴミには出せません。余ったら自治体のゴミ処理センターに持参して、手続きしないと捨てられません。
もちろん廃棄は有料です。石膏ボード1枚の値段より、捨てるお金の方が高いなんてことも。
石膏ボードは余らないように、賢く貼りましょう。
石膏ボードは下から貼っていく
石膏ボードは下から上へと貼っていきます。
9.5mmの石膏ボードは1枚10.9kg、12.5mmだと14.1kgです。持ちながら脚立に登るのは大変。ましてや、片手で押さえて、片手でインパクトドライバーなんて物理的に無理ですよね。
だから、床に接する面から貼っていって、2段目は1段目の上に引っ掛けながら、3段目は2段目の上に引っ掛けながら…といった感じに貼っていけば、重さなんて関係なし。
「だったら12.5mmの石膏ボードを使えばよかったじゃん…」と後悔しています。
梁部分の加工は針金を使うと綺麗に仕上がる
梁の形に合わせて石膏ボードを円形に切り抜く難しさたるや。これは「梁見せ天井の宿命」でしょう。
とりあえず適当にカットしてみたんですが、予想以上に隙間ができてしまいました。
ここで、悩んだ自分は針金を使いました。これは我ながらナイスアイデア。
梁の形に合わせて針金を曲げる。
針金に沿って石膏ボードをカット。細かな修正はヤスリで削る。
あとは貼り付け。
適当にカットして失敗した下部分とは違って、針金を使った上部分はピッタリ合わさっています。その違いは一目瞭然ですよね。針金おすすめです。
屋根勾配に合わせたカットは図面を作る
あと難しかったところが、屋根の勾配に合わせて石膏ボードをカットする工程です。
ここは各辺をメジャーで測って、図面を作成しました。フリーハンドだし、字が汚いけど、図面です。
図面を石膏ボードに書き写してカット。
微妙なズレはありますが、パテ埋めでカバーできる範囲に抑えられました。1発で上手くいきました。
…というのは嘘で、むちゃくちゃ失敗しました笑
あぁ、ゴミが増えてしまった…石膏ボードの端材はガラ袋にまとめて、後日、捨てに行きます。
石膏ボードを貼ったら部屋になった
トータル3日かけてキッチンの全面に石膏ボードを貼り終えました。石膏ボードを貼っただけで、だいぶ部屋感が出てきた思います。
四角い穴は、裏に配電盤があるのでその点検口です。あとで蓋します。
あと、今回は9.5mmの石膏ボードを壁に使いましたが、意外と大丈夫そうですね。
断熱材はあえて入れない方向で
あれ?断熱材は入れないの?と思った方も多いと思います。はい、今回は入れてません。
その理由は2点。
まず、この壁に断熱材を入れたところで、部屋全体の断熱効果は低いからです。すぐ隣は土間となっており、仕切りが少ない。壁も少なく部屋全体の気密性はかなり低めとなっています。
そもそも建物自体が古いので隙間だらけ。仮に断熱を頑張ってもサッシから外気が漏れてくるのは目に見えていました。
また、今回は天井も高くしたので、室内の気温をコントロールするのは難しいと感じました。
もうひとつは、断熱材施工はそんなに単純ではないこと。
壁の断熱材に使われるグラスウールは、隙間なくキッチリと敷き詰めないと断熱効果は得られません。それを素人がやったとろこで、結果は目に見えています。
さらに、グラスウールは湿気に弱く、カビやすい性質があります。今の状態でグラスウールを施工したとしても、すぐにカビしまう可能性大。
外壁はトタン1枚だけ。透湿防水シートなし。つまり壁内部は湿気が入り放題。これは絶対にカビる。
以上のことから、今回、キッチンの壁断熱は諦めることにしました。と、素人なりの理由を並べましたが、天井には遮熱シートを貼っている矛盾…笑
ともあれ、次回はパテ埋め作業です。漆喰を塗る前の大事な工程なのに、とんでもない失敗をしてしまいました笑
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