DIYではお馴染みのコーススレッド、通称ビス。トンカチで釘を打つイメージは何処へ…。DIYではインパクトドライバーでビスを打ち込む方法が一般的となっています。
今回は、床の張替えにあたってコーススレッド(ビス)について調べたので、簡単にまとめたいと思います。
コーススレッド(ビス)とは?
まずはコーススレッドの当たり障りから。
名前の由来は、コース(粗い)スレッド(筋道)で形状を意味しています。一般的には「ビス」と呼ばれています。「木ネジ」と言う人もいますね。
コーススレッドの強度は釘の約5倍。トンカチで叩けば簡単に曲がってしまう釘に比べ、意図的にでもビスを曲げることは困難。
ただ、コーススレッドにもデメリットがあり、その強固さからコーススレッドが折れてしまう場合もあります。インパクトドライバーにパワー負けして、木材の中で真っ二つなんてことも。
DIY初心者にとって、釘より遥かに扱いやすいコーススレッドですが、その特性を知ることも大切です。
コーススレッド(ビス)の長さや太さの規格
コーススレッドの長さや太さには規格があります。短いものでは25mm、長いものだと120mmまで。木材や用途に合わせて使い分けます。
サイズ(太さ×長さ) | 形状 |
---|---|
3.8×25 | 全ネジ |
3.8×28 | 全ネジ |
3.8×32 | 全ネジ |
3.8×38 | 全ネジ |
3.8×41 | 全ネジ |
3.8×45 | 全ネジ |
3.8×51 | 半ネジ |
4.2×57 | 半ネジ |
4.2×65 | 半ネジ |
4.2×75 | 半ネジ |
4.5×90 | 半ネジ |
4.5×100 | 半ネジ |
4.8×120 | 半ネジ |
スリムスレッド(スリムビス)の長さや太さの規格
通常のコーススレッドの太さは3.8mmや4.2mmですが、構造用合板など薄板の側面を打つと割れやすい。そこで、太さ3.3mmといった細いスリムスレッド(スリムビス)というビスも存在します。
スリムスレッドは「ガリビス」や「極細ビス」とも呼ばれており、通常のコーススレッドよりは強度は劣りますが、とにかく木材が割れにくく、ビス頭も綺麗に埋まる構造となっています。
あとは、長さに関わらず全サイズが半ネジになっているメーカーがほとんど。
ただ、スリムスレッドは工具に負けて頭が折れやすいので、インパクトドライバーは優しく打ち込むべし。
サイズ(太さ×長さ) | 形状 |
---|---|
3.3×25 | 半ネジ |
3.3×30 | 半ネジ |
3.3×35 | 半ネジ |
3.3×40 | 半ネジ |
3.3×45 | 半ネジ |
3.3×50 | 半ネジ |
3.8×55 | 半ネジ |
3.8×60 | 半ネジ |
3.8×65 | 半ネジ |
3.8×70 | 半ネジ |
3.8×75 | 半ネジ |
4.0×90 | 半ネジ |
全ネジと半ネジの違い
釘とは違い、コーススレッドにはネジ部と呼ばれるギザギザがあります。
そして、全体がネジ部のビスを全ネジ、ネジ部が途中までビスを半ネジと言います。上記のコーススレッド規格では、長さ51mm以上のビスは半ネジになっていますね。
全ネジはビス頭が木材に埋まると締めつけがストップしますが、半ネジはビス頭が埋まっても回転し続けるので、木材同士を引き寄せる力が強いとのこと。そのため、分厚い木材を固定するなら半ネジのほうがしっかり固定されます。
木割れしにくい先端足割加工のコーススレッド
私のようなDIY初心者がやりがちなミスがビス打ちでの木割れ。下穴を開ければ木割れの確率は抑えられますが、作業量と使用工具は2倍。面倒です。
そこで先端足割加工されたコーススレッド。先端足割加工とは、ネジ先端から縦に切り込みを入れること。
これにより、通常のコーススレッドに比べて鋭利に打つこむことができ、木割れする可能性が幾分か抑えられるらしいです。
ただ、加工されている分コストが高いのか、通常のビスより単価はお高め。
18Vインパクト対応のコーススレッド
最近ではハイパワーの工具も増えてきていますね。私もマキタの18Vインパクトドライバーを愛用しています。
しかし、あまりにもインパクトドライバーの打撃が強力だとコーススレッドが折れてしまうことも。私も初めて経験しましたが、折れた先端が木材に埋まったまま。抜こうにも抜けず、お手上げです。
こうした事態に対応するため、18Vインパクト対応と称したコーススレッドも売られています。18Vインパクト対応と通常コーススレッドとの違いは以下の通り。
- 丈夫な鉄素材で出来ている
- 太さは同じでもネジ谷の軸が太い
- 先端が鋭利にカットされ食いつきが良い
ただ、現在出回っているコーススレッドのほとんどは18Vインパクト対応になっていると思います。ですので、そこまできにする必要はないかと。
サビに強いコーススレッド
屋内で使用する分には問題ありませんが、屋外ではコーススレッドは錆びます。
昔の大工さんは、唾液でわざと釘にサビを付けて抜けにくくしていたらしいですが、ネジで固定するコーススレッドにサビは不要。
(ただ、ビス打ち前に唾液を付けると木材が膨張して締め付けられるようで、ビスを舐める大工さんもいるそうです…)
サビにくいステンレスや亜鉛メッキを施したビス、オーステナイト、イオニスコートなどもあるので、シチュエーションに合わせて使い分けましょう。
四角いスクエアコーススレッド
コーススレッドには、頭の溝が四角いスクエアコーススレッドというものもあります。四角穴ビスとも呼ばれています。
スクエアコーススレッドの締め付けには正方形のビットが必要。締める時にビットの滑りが少なく、磨耗(磨り減り)も破損もしにくいビスです。また、通常のコーススレッドに比べ強度も高く、そう簡単には折れません。
ですので、高トルクを掛ける箇所、つまりガッチガチに締める場合に使われます。具体的には、床を支える鋼製束と大引の固定、耐震補強の筋交金具、横架材の固定などなど。
強い力にも耐えられるので、建築補強金物の固定に使われます。
コーススレッド(ビス)の長さ目安
コーススレッド(ビス)の長さ選びですが、コメリのポップでは下地に25mm打ち込めればOKとのことです。
例えば、厚み約38mmの2×4材なら38+25=63mmという計算になるので、上記の規格表だと「4.2×65」のコーススレッドになりますね。
目安は25mmですが、下地材が薄い場合は貫通しない長さに調整しましょう。
コーススレッド(ビス)の太さ目安
次に、コーススレッド(ビス)の太さに関してですが、規格表を見れば分かる通り、長さによって太さが決まります。ですので、太さでコーススレッドを選ぶということは稀だと思います。
もし「長いビスを打ちたいけど、木割れが怖い」ということであれば、電動ドライバー等で下穴を空け、スリムスレッドや先端足割加工のビスを使用すると良いでしょう。
一度打ち込んだコーススレッドの打ち直しはできる?
一度打ったコーススレッド(ビス)を抜かなければいけない状況。DIY初心者あるあるですね。
でも、一度打ち込んだコーススレッドを抜いて、同じ穴に打ち直すのは問題ないのでしょうか?
結論は、同じ長さ&太さのコーススレッドだとダメ。木材同士の締め付けが甘く、無意味な状態になる。ただ、抜いたコーススレッドより長い、もしくは太いコーススレッドならOK。
コーススレッドはネジの溝で木材に固定されるため、新たな溝を掘ることができれば大丈夫とのことでした。とは言え、打ち直しは極力しない方が良いでしょう。
たかがビス、されどビス
これまで何となくで使っていたコーススレッド(ビス)ですが、床張りする前に調べて良かった。
下地材に届けば良い!ということではなく、ビスの長さや太さ、種類の理由が学べました。この調子で、日進月歩、少しずつスキルアップしたいですね。
※管理人はDIY素人につき全てが手探り状態です!「これは間違っている」「ここはこうした方が良い」という箇所があればコメントからご指摘お願いします!
この記事のコメント
文頭からウソが書いてあるので読むのをやめました 辞書でcoarseを引いてみることをおすすめします
ご指摘ありがとうございます。修正しました。