案の定、築40年超の我が家の床には断熱材が一切入っていませんでした。南房総は温暖な気候なので、そこまで底冷えを警戒するほどじゃないんですけどね。
ですが、大したコストはかからないし、床貼り替えのついでに断熱材を入れることにしました。
今回は床に入れる断熱材について調べて、実際にDIYで施工までやってみたので、その事をまとめます。
床に使われる断熱材の種類
まず、床に使われる断熱材の種類ですが、大きく分けて「繊維系」「吹付け系」「発泡プラスチック系」の3種類あるそうです。
それぞれのメリットやデメリットはこちら。坪単価の費用も比較してみました。
繊維系断熱材のメリット・デメリット
繊維系とは、グラスウールやロックウールといった細くて小さな繊維が押し固められたような断熱材のことです。
繊維同士の隙間に空気の層を作ることで、高い断熱効果が得られるそうです。
また非常に軽い素材なので、壁や屋根裏の断熱材として使われており、現代建築の主流といってもいいほど。ほとんどの新築の壁は繊維系の断熱材が使われています。
最大のメリットは安い割に、機能性を兼ね備えたというコストパフォーマンス。1坪1800円ほどの費用で十分な断熱効果が得られます。
ただ、デメリットは施工が難しいという点。正確には、素人がグラスウールなんか扱うと、隙間ができたり、ズリ落ちたりして、全く断熱されてない状態になってしまいます。
あとは、繊維系の断熱材は湿気を吸うと劣化して、すぐにカビるそうです。素人DIYの自分は絶対に失敗するやつです。
吹付け系断熱材のメリット・デメリット
吹付け系とは、発泡ウレタンのようなモコモコと膨らんで硬くなるタイプの断熱材です。
床断熱に用いる場合は、床下の裏側から発泡ウレタンを吹き付けるそうです。
発泡ウレタンのメリットは小さな隙間も埋める機密性。吹き付ける瞬間は液状なので、断熱の敵でもある空気の抜け穴をちゃんと埋められます。面に沿って断熱できるという点も優れています。
ただ、床断熱という規模となると、発泡ウレタンの吹き付けに専用の機械が必要です。
もちろん、材料費もかかります。ちょっと調べてみたんですが、坪単価1万円ほどのようです。
吹き付け技術も求められる。素人DIYではまず非現実的ですね。
発泡プラスチック系断熱材のメリット・デメリット
最後。発泡プラスチック系とは、スタイロフォームやカネライトフォームといった発泡スチロールのような断熱材のこと。小さな気泡によって断熱効果が得られます。
メリットは加工が簡単で湿気に強いこと。繊維系の断熱材はプロ施工じゃないと断熱効果が得られない上、濡れたらカビますが、発泡プラスチック系なら素人でも扱えます。
ただ、40mm厚だと坪単価3000円ほどの費用になり、繊維系の倍近くのコストがかかってしまう点がデメリット。
また、施工時にどうしても隙間が出来やすく、他の断熱材に比べて断熱効果が薄いと言われているそうです。
メリット | デメリット | 費用 | |
---|---|---|---|
繊維系 | コストが安い、軽い、高い断熱性 | 湿気に弱く劣化しやすい | 1800円 / 坪 |
吹付け系 | 優れた機密性 | コストが高い、専門業者に依頼しなければいけない | 1万円 / 坪 |
発泡プラスチック系 | 湿気に強く、軽くて丈夫、加工施工が用意 | 隙間が出来やすい | 3000円 / 坪 |
床の断熱材に最適なのは?
以上、3つの断熱材をリストアップしましたが、最も床の断熱に最適なのは発泡プラスチック系だと思います。
まず、素人DIYで吹付け系は論外として、残るは繊維系と発泡プラスチック系。
グラスウールやロックウールといった繊維系は、布団のようにフカフカしています。そのため、サンドイッチのように挟まないと固定が難しい。
和室をフローリングにするように、床板の上に根太材を打って、その上から合板を張る方法ならアリかもしれません。
でも、今回のように根太の隙間に断熱材をはめ込むやり方だと、繊維系は絶対にズリ落ちると思いました。
また、床下は湿気の脅威があるの場所なので、水に弱い繊維系は適していないと判断しました。
発泡プラスチック系の断熱材は固形。軽くて丈夫なので根太にはめ込むだけでOKです。水に濡れても大丈夫。
素人DIYの床断熱に最適なのは、発泡プラスチック系という結論になりました。
発泡プラスチック系断熱材のメーカー
発泡プラスチック系断熱材は「押出法ポリスチレンフォーム保温板」とも呼ばれており、主要商品メーカーは「スタイロフォーム(ダウ化工)」と「カネライトフォーム(カネカ)」の2社です。
スタイロフォーム
DIYブログでよく目にする青い発泡スチロールが、「ダウ化工のスタイロフォーム」。ホームセンターでも必ずと言っていいほど置いてあると思います。
スタイロフォームのサイズは約1畳(910×1820)で、厚みが15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、50mm、75mm、100mmの9種類。
床断熱では45mm角の根太を使う場合は、40mm厚のスタイロフォームになります。
カネライトフォーム
こちらもホームセンターで目にすることがあるピンクの断熱材、「カネカのカネライトフォーム」。
サイズは約1畳(910×1820)で、厚みが15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、60mm、65mm、75mm、100mmの11種類。
スタイロフォームにはなかった45mmがあります!根太にジャストフィット!がしかし、45mm厚を扱っているホームセンターは少ないかもしれません。モノタロウにも楽天にも、45mm厚はありませんでした。
運良くホームセンターに置いてあるか、カネカに発注するかになりそうですね…。
案の定、近所のホームセンターには45mmのカネライトフォームはなかったので、自分は40mmのスタイロフォームを購入しました。
切り込みが入った断熱材
DIYブログを見ていると、大抵の人はスタイロフォームを選んでいます。やっぱり、どこのホームセンターにも置いてあるからでしょう。
カネライトフォームを使っている人もいるけど、何やら切り込みが入っている?これは「カネライトインサー」というカネカの商品のようです。
両サイドのスリットで微妙に幅の伸縮するため、根太の隙間にジャストフィットするらしいです。発泡プラスチック系断熱材の弱点でもある隙間が出来にくいってことですね!
あと、カネライトインサーはあらかじめ根太幅にカットされているので、自分で加工する必要は無いという点も便利。
逆を言うと、根太幅がガタガタだとカネライトインサーは使えないってことですね。
ちなみに、ダウ化工にも「スタイロフィット」という商品があります。
共に、ノーマルよりもちょっとお高いけど、根太幅に自信があるという方にとっては画期的な断熱材ですね!
スタイロフォームの切り方
スタイロフォームはカッターで簡単に切ることができます。
発泡スチロールの切断と聞くと、小学生の時に電気が通った針金で溶かしながら切った思い出がありますが、カッターで十分です。
スチロールカッターのように電熱線で切る道具もありますが、わざわざ買う必要はありません。
しつこいようですが、DIYレベルならカッターで十分です。
根太と根太の幅を測ってスタイロフォームに墨出し。あとは、長めの角材などを使って真っ直ぐカッターの刃を入れるだけ。
微調整には粗めの紙ヤスリで削ればOKです。
スタイロフォームを根太の間にはめ込む
次に、スタイロフォームを根太と根太の間にはめ込んでいくのですが、この時、大引きに掛かるようにするのがポイント。こうすることで落下防止になります。
やってるうちに、キッチキチにはまる場合もあれば、ぶかぶかな場合もあります。気にしたらきりが無いので「多少ゆるくても落ちなければOK」程度が、精神衛生上よろしいかと。ただ、隙間ができたら意味ないのでキッチリはめること。
スタイロフォームに書かれたアルファベットは、根太の幅がバラバラなので、どこにどれをはめ込むか分かりやすいようにしています。
40mm厚のスタイロフォームを使う場合は5mm底上げする
自分はやってない(やり忘れた)んですが、45mmの根太で40mm厚のスタイロフォームを使う場合、5mmのアクリル板なので高さ調整した方がよさそうです。
スタイロフォームの隙間はもれなく塞ぐ
あまりにも隙間が大きいようなら、スタイロフォームの欠片をはめ込んだり、ガムテープで塞いだり、コーキング材を注入してもいいかもしれませんね。もちろん、自分はやり忘れて、隙間だらけのまま完了してしまいました。
参考:和室リノベーションDIYで畳からフローリングにする方法(下地編)
落下防止にオメガピンを使う
大引きがない場所でも、スタイロフォームを引っ掛けることが出来る「オメガピン」という商品もあります。
薄い金属板を加工したもので、針を根太とスタイロフォームにぶっ刺して固定してくれます。
壁際の根太掛けは際根太で塞がっているので、オメガピンでスタイロフォームを支えることにしました。
大引きと大引きの途中の補強として使ってもよさそうですね。
まとめ
根太の幅がバラバラで苦労しましたが、なんとか10畳分の床に断熱材を敷き詰めました。心なしか断熱されている気がします!笑
あとは、この上に捨て貼り敷いて、フローリングで完了。
徐々に完成していく過程は楽しいけど、とにかく大変!素人DIYはトライ&エラーの連続ですね!
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