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我が家の猫が野ウサギを捕らえた時の話し

我が家の猫が野ウサギを捕らえた時の話し 動物

町内の草刈りを終え、自宅の居間で一息ついていた時。外から動物の悲痛な叫び声が聞こえてきた。

慌てて表に出てみると、飼い猫の「ヤンマー」が何かの動物と揉み合っている。カエルやトカゲとはわけが違う。急いで仲裁した。その逃げる姿でわかった。野ウサギだった。

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野ウサギを必死に助けようとした

一度は引き離したものの、ヤンマーは完全に野生が出ており、隙を見ては野ウサギに喰らい付く。しかし、再び仲裁した時の野ウサギは、すでに虫の息。

せめて、危険なヤンマーから引き離そうと近寄ったその瞬間だった。パニック状態の野ウサギは地を這うようにジタバタしながら用水路に落ちてしまった。

野ウサギが落ちた用水路

急いで用水路に降りて、野ウサギの後を追った。水位は10cmほど。元気な野ウサギなら大丈夫な深さ。

しかし、あの野ウサギは10cmの水位に横たわっていた。

嫁が持ってきた虫取りアミで水に沈んだ野ウサギをすくい上げ、草むらに移動した。

全く動かない。目は見開いている。呼吸もしていない。首元、脇腹には傷があったものの出血はさほどない。なのに腰の筋肉がむき出しになっており、ビクビクと痙攣していた。

応急処置をしなければと思い、胸部をグッと押した。野ウサギの心臓の位置なんて分からない。でも、まだ間に合う気がした。

水に濡れた野ウサギはまだ温かい。ロードキル(轢死)で猫を運んだ時も何度か経験したが、温かい死体に触れるのはやっぱり慣れない。

10分ほど心臓マッサージのような事をし続けたが、ダメだった。全く動き出す気配はなく、目も見開いたまま。腰の筋肉の痙攣はなくなり、口元から泡が出ていた。

数分前まで生きていた動物が、今、目の前で息絶えた。

救えた命だったかもしれない

後から調べたことだが、野ウサギは急激なストレスに弱く、ショック死したり、自ら毒素を出して死んだり、自ら首の骨を折って死んでしまう動物とのこと。

しかし、弱っている状態の野ウサギを用水路に追い込んでしまったのは自分。

あそこでヤンマーを離して、野ウサギを安静にしてやれば一命は取り留めたかもしれない。

落ちた後も、草が生い茂る用水路を歩くのではなく走れば、アミではなく直ぐに素手で持ち上げれば、ためらわずに人工呼吸をしていれば…全てにおいて躊躇してしまった自分が憎い。

ただ、もしかすると仮死状態という可能性もある。そんな僅かな願いにかけて、土には埋めなかった。

悔やんでも悔やみきれない。だからと言ってヤンマーを責めることもできない。

膝の上にのる猫(ヤンマー)

自分の無闇な行動、そして無知さに落胆した。この記事は今日の出来事に対する戒めだ。

猫は飼い主のために獲物を捕ってくる

知っている人も多いだろうが、猫は飼い主のために獲物を捕ってくる習性がある。

食料を分け与える、狩りが出来ない飼い主の練習用、自慢などなど、その目的は様々。

しかし、全てに共通する点は飼い主への熱い愛情表現。人間にとっては嬉しくないプレゼントだが、悪気はないので叱るのは大きな間違い。

生きたトカゲを頻繁に持ってくるヤンマーは、子猫という事もあり自慢をしたいのかもしれない。健気な姿に一応は褒めるが、尻尾が切れたトカゲを捕まえて逃す人間はいつも必至だ。

鈴付きの首輪は野生動物を守る

猫の首輪には鈴が付いている物がある。「チリンチリン」という音が可愛く、猫の場所が分かるという点が特徴。

個人的には、音が猫のストレスになるのでは?という疑問から、あまり好みではなかった。

ただ、鈴の音で獲物となる野生動物に猫の位置が知れ渡り、今回のような事が防げるかもしれない。

元野良猫のヤンマーにとっては、これが日常であり生きることなのだろう。ハンティングという娯楽なのかもしれない。

しかし、今は飼い猫。結局は人間のエゴになってしまうが、十分な食事が得られている以上、無駄な殺生はさせたくない。ヤンマーには悪いが、首輪と鈴は我慢してもらおう。

鈴付きの首輪をつけたヤンマー

元野良猫を飼うという事

ヤンマーは1年ほど野良を経験した猫。それが急に家猫になるなど、到底無理なこと。

アスファルトの上でゴロゴロするのが好きだし、風の匂いを嗅ぐことも好き。それこそ、残酷に見えるハンティングも日常生活の一部。

だから人間側の都合や考えだけで、家の中に閉じ込めることだけはしたくなかった。

そんなこんなで、我が家では日中は外に出して、夜は家の中に入れるという半外飼いをしている。

もちろん、だだっ広い敷地で周囲に民家はなく、農道だけでロードキル(轢死)のリスクは低い、という特別な環境が大前提にある。

半外飼いなので、ダニやノミ、カエルを食すことで発症する条虫対策はなかなか大変だか、これも全てヤンマーの幸せのため。もうしばらく、悪戦苦闘が続きそうだ。

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