世界一平和な国として誇れるこの日本では、犬や猫が保健所や動物愛護センターに持ち込まれると、数日間引き取り手が現れるのを待ち、期限がきたら二酸化炭素による窒息によって殺処分を行っています。
環境省が発表した統計によると、2016年に殺処分された犬猫は55,998匹となっています。
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
---|---|---|---|
犬 | 21,593匹 | 15,811匹 | 10,424匹 |
猫 | 79,745匹 | 67,091匹 | 45,574匹 |
合計 | 101,338匹 | 82,902匹 | 55,998匹 |
参考サイト:環境省統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」
2015年に殺処分された数が82,902匹ですので、少しずつ改善されていることが分かります。しかし、年間数万匹が殺されている現状を「改善されている」で済ませていい数字なのでしょうか?
日本では9分に1匹殺している
年間の統計数値で殺処分数を比較することは容易ですが、1匹あたりの殺処分ペースを知ると考えが変わってきます。
1年は約525,600分ですが、年間の殺処分数は55,998匹。つまり、日本では9分に1匹のペースで犬猫を殺処分しています。あなたが朝目覚めてから、この記事を読んでいる今まで、何匹殺処分されていますか?こうしている間に、今もどこかの保健所で命が絶たれています。
保健所にペットを持ち込む呆れた理由
では、なぜ1年間にこれほどまでの犬や猫が殺処分されなければいけないのでしょうか?その根本的な理由がこちら。
- 引越し先でペットが飼えないから
- パートナーと破局(離婚)したから
- 子供がアレルギーだから
- ペットが年老いて世話が大変になったから
- ペットが病気になって治療費がかかるから
- ペットが子供を産んだから
- 懐かないから
- 噛みグセがあるから
- 鳴き声がうるさいから
どうですか?嘘みたいな理由ですが、実際にこういった理由で保健所や動物愛護センターにペットを持ち込む飼い主があとを絶ちません。
特に「引越し」を理由に、長年一緒に暮らした犬猫を捨てる飼い主が多いそうです。家族として共に生活していた命を、家具か何かと勘違いしているのでしょうか?本当に呆れた理由です。
こうやって「元家族」に捨てられた犬や猫は、新たな飼い主が見つかるまで保健所や動物愛護センターに収容されます。
しかし、その収容期限は平均7日間。これじゃ、まるで死刑を宣告された囚人。何も悪いことをしていないのに。
あなたのペットは家族ですか?
この記事を読んでくださっている方の中にも、自宅で犬や猫を飼っているという方もいると思います。きっと家族として愛していることでしょう。ですが、今の生活が一変したらどうでしょうか?自分の人生と、愛する家族の命。どっちを選びますか?
- 「転勤が決まって世話ができなくなったら?」
- 「新しい恋人がアレルギーだったら?」
- 「子供が生まれて衛生面に気を使うようになったら?」
- 「ペットが癌になって高額な治療が必要になったら?」
これだけは知っておいてい下さい。保健所は犬猫の保護施設ではありません。動物愛護センターは犬猫が幸せに暮らせる場所ではありません。
保健所も動物愛護センターも犬猫を殺処分する場所です。入ったら最後。7日後には機械的に命を絶たれます。
捨てるということは、殺すこと。誰かが拾ってくれるだろうなんて、甘い考えは持たないように。
10人に1人の選択で救われる命
これからペットを飼おうか考えている人も知っておくべきことがあります。それが「10人に1人の選択肢」です。
「10人に1人の選択肢」とは、殺処分ゼロを目指して活動する保健所犬猫応援団が掲げたキャッチフレーズです。
日本で飼育されている犬猫の数、約2,000万匹、平均寿命約15年として、年間に亡くなる犬猫数は約133万匹、この数が維持されるとすると、日本国内では、約130万匹の犬猫を新たに飼いはじめる人がいる事になります。日本の年間殺処分数13万匹弱、つまり、新たに飼いはじめる方の「10人に1人の保健所からの選択肢」が増えれば、その数を無くす事が出来ます。
※正確な数字ではありませんが、殺処分を防ぐための目標とする概算の数です。
つまり、犬や猫を飼いたいと思っている人のうち10人に1人が、保健所や動物愛護センター、譲渡会などで里親になることで、殺処分が無くなるという計算です。
あくまで予測にすぎませんが、私たちの選択で殺処分が確実に減るということです。
1匹を譲り受けるともう1匹の命が助かる
保健所や動物愛護センターで収容可能な動物の数は決まっています。しかし、収容可能であれば殺処分はしません。
つまり、私たちが保健所や動物愛護センターで犬や猫を1匹譲り受けすると、収容枠が1つ空いて、もう1匹の動物の命が助かる。
殺処分ゼロという目標には多くの協力が必要となりますが、私たち一人一人の選択で2匹の命を救うことができます。
里親募集には、子犬や子猫もたくさんいます。これからペットを飼いたいという人は、保健所や動物愛護センター、またはボランティア団体が開催する譲渡会へ足を運んでみてはいかがでしょうか?
この記事のコメント
かわいそうです!一体動物のいのちをなんだと思っているのか?小さな命をなんだと思っているのか不思議でたまりません。
こうやって消されていく命の一方で、無理やり生み出される命もあります。全ては金のためです。ペットショップで買うことは、それに加担しているということ。ペット業界のビジネスモデルを根底から変えないと、殺処分は無くならないと思います…悔しい!
とても可哀想です‼️私は今犬を一匹飼っています。なのでかわいいだけで飼うのではなく、しっかりと犬猫を飼うときは、最後まで自分で責任をもって飼うことだと思います。みなさん殺処分をゼロにしましょう‼️
そうですね。
まずは今飼っているペットを最期まで面倒みる、絶対に捨てない。あとは安易に子犬や子猫を増やさない。殺処分を減らすには、これに尽きると思います。